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古畑任三郎 第2シリーズ9話 「間違われた男」(ゲスト:風間杜夫) あらすじとネタバレ

この第2シーズンの9話は権利上の都合により地上波再放送はもちろんCSやVODでも放送が困難な回で実質「欠番」状態である

 

この「権利問題」の原因は風間杜夫が所属する個人事務所「オフィスカザマ」ではないだろう

 

問題となった箇所はおそらく作中で重要ポイントになる「サザエさん」の映像と主題歌の一部が流されるシーン

 

ここが引っかかってると思われる

 

サザエさんの権利元はあのジャニーズ事務所すらも上回るほどめちゃくちゃ厳しい「長谷川町子美術館

 

サザエさんのメディア化はもちろんグッズ制作すらほとんど許していないほど厳格

 

実際「サザエさんキャンディ」とか「サザエさんふりかけ」とか見たことないでしょ?

 

当然Blu-rayやDVDソフト化も望むべくもなく・・・

 

初期の今と全然違う時代のサザエさんなんかメディア化すりゃ売れそうなのにね

 

とにかくここがめちゃくちゃ厳しいから簡単に配信することができなくなったわけだ

 

イチロー出演回やキムタクやSMAP出演回同様に「お蔵入り」の「欠番」状態ってわけで今はもうレンタルかメディア購入以外では視聴困難だろう

 

 

それはともかく本編の内容だがまずは冬の高尾山山荘からこのストーリーは始まる

 

春風亭昇太みたいな風貌のメガネ君(清水昭博)を椅子に座らせ猟銃を突き付ける男

 

それが風間杜夫演じる雑誌編集者の若林仁である

 

どうやらメガネ君が「カミさん」を寝取ったようで若林がキレて殺そうとしてるようだ

 

必至に命乞いするメガネ君だったが若林は腹に猟銃をぶっ放す

 

不倫の代償ってやつか・・・

 

 

若林はブッ殺したメガネ君が猟銃による自殺と見せかけるよう偽装をおっぱじめる

 

遺体の左手首の腕時計から2階の窓の外へ紐を通して外に出て入り口のカギを施錠する

 

ハシゴを使って2階の窓外へ移動してカギの穴を紐に通して室内へ紐伝いに落とす

 

うまいことカギが遺体の左手の上に落ちる

 

あとは紐を引っこ抜いて「完全犯罪成立」といったところか

 

入り口はカギがかけられている山荘内でメガネ君が猟銃で自殺したっぽい状況に

 

ただ猟銃の銃身がかなり長いから自分に向けて撃つのは無理があるような・・・

 

あ~でも引き金の部分を手で握って撃てば良いのか・・・

 

 

とにかくこれであとは帰るだけとなった若林

 

だが愛車の前輪がパンクしていて走ることができない

 

四駆なのにスペアタイヤも積んでないのか?

 

とにかくこれで足を失った若林は最寄りの交通機関まで歩いて冬の高尾山を下ることに

 

とはいえ最寄りの京王高尾山口駅までもかなりの距離

 

寒さもありヒッチハイクを試みるがシカトされ苦虫を噛む表情

 

ちょうどこのオンエアの1か月後に電波少年で猿岩石のヒッチハイク企画が始まる

 

ある意味これが先駆けとなったのか(笑)

 

 

そしてついに停まってくれた車が現れた

 

乗っていたのは気さくで人の良さそうな笑顔を見せる鴨田厳(小野武彦)だ

 

最寄り駅まで乗せてってくれることに

 

人は良いが相当なお喋り好きな鴨田さん

 

聞いてもいないのにしいたけの原木をもらってきたと嬉しそうに話す

 

「焼いてね。パパっと塩振って食うと美味いんだ」とノリノリの鴨田さん

 

今や免税店等でしか入手できない「幻のタバコ」である峰を美味そうにふかす

 

当時でもかなりレア物のタバコであった

 

この「峰」も後に重要なポイントとなる

 

 

 

で、ここで鴨田さんが遂に「禁断のセリフ」を口にしてしまう

 

「あなた、アレだよね?若林さんだっけ?」と話す鴨田

 

当然若林は動揺してなぜ自分の事を知ってるのか問う

 

先月バリトンホテルのパーティーで会話しただろうと話す鴨田

 

さらに「ウチの“シゲル”がおたくの雑誌のファンだ」とも話す

 

そしてパーティーの時に一緒にいた若林の妻についても言及

 

「ああいうベッピンさん嫁に貰うと気が気でないんじゃない?」と

 

今回のストーリーを解説するようなセリフ

 

鴨田はさらに喋りまくり下北沢で平田満を見たと話す

 

これは風間杜夫平田満の「蒲田行進曲」を意識したセリフなんだろう

 

おそらく三谷幸喜が大好きだったとかそんな感じか

 

それはともかく若林は今日会ったことは誰にも内緒にしてほしいと鴨田に告げる

 

鴨田は「いいよ。わけありなんだね?まぁわかるよ。オレだって身に覚えあるしね」と返答するが「身に覚え」あるようなルックスに見えない(笑)

 

だが鴨田は舌の根も乾かぬうちに運転しながら自宅へ電話する

 

同居する「シゲル」に向けて「今、月刊門松の編集長さんと一緒なんだよ!詳しい事は帰って話す」と留守電メッセージを吹き込んでしまう

 

若林は「鴨田さん困りますよ!(内緒にするって)約束したじゃないですか」と憤慨

 

鴨田は「平気だよ。アイツ口堅いから」と返答

 

若林は「その人は堅くても・・・アンタ軽すぎる!」とイラつく

 

若林の目には鴨田に対する殺意が浮かんでいた

 

鴨田を殺さなければ自分の犯行の足がついてしまうという懸念と共に・・・

 

 

若林はタヌキを跳ねたと嘘をつき、降りて確認するよう鴨田に促す

 

鴨田は車を降りて懐中電灯であたりを探る

 

その際に「この前財布を拾った」と話す

 

そしてそこにクマのぬいぐるみが落ちていた

 

そんな都合よく山中の道路にクマのぬいぐるみなんて落ちてるか?

 

それはともかく轢いたのはタヌキじゃなくぬいぐるみだと安心する鴨田

 

しかし若林はその間にそこに落ちていた漬物石大の石を持ち鴨田の背後に回っていた

 

そしてしゃがんでぬいぐるみを拾い上げていた鴨田の後頭部に石を思い切り振り下ろして鴨田までブッ殺しちまいました・・・

 

 

鴨田のクルマを奪って免許証で鴨田の住所を確認して鴨田の自宅へ向かう若林

 

カギは先ほど鴨田が留守電メッセージに入れていたように玄関の植木鉢の下にあった

 

そのカギで室内に入る鴨田

 

「こんばんは」と室内に「シゲル」及び他の誰かがいるか確認する若林

 

誰かいたらその人物まで殺す気だったんだろうか・・・?

 

それはともかく室内には誰もいなかった

 

電話にある留守電のテープを抜き取り別のテープに入れ替える

 

これであとは帰るだけとなった

 

しかしここでインタホンが鳴る

 

若林がドアスコープで誰が来たかのぞき込む

 

するとそこに立っていたのは古畑任三郎だった

 

この時のBGMがまた秀逸(笑)

 

 

当然若林は応対するわけにもいかず居留守を使ってやりすごそうとする

 

2分ほど沈黙を守る若林

 

さすがに極度の緊張続きで精神的に疲弊してきている様子

 

それをうまく表現する風間杜夫の演技力が素晴らしい

 

そしてドアスコープを覗き外に誰もいないのを確認し部屋を出る若林

 

カギを植木鉢の下に置こうとしていたら戻ってきたのか古畑が「どうもこんばんは」と声をかける

 

古畑は「鴨田さんでいらっしゃいますよね?6時(18時)の約束でしたね?」と問う

 

若林(偽鴨田)は「遅いんでね・・・もう来ないと思って」と返す

 

古畑は「あぁそうですか・・・」といい時計を見て訝しそうな表情を示す

 

古畑は指で紙のようなものを描いて「アレを頂いたら退散します」と告げる

 

もうこの時点で怪しいと思っていたのか「アレ」としか言わないいやらしい性格の古畑

 

当然若林は何のことかわからず当惑するが仕方なく古畑を室内へ入れる

 

「カミさん」がいないと湯飲みがどこにあるかもわからないと告げ、その「アレ」も神さんがどこかに保管してあるがそれがわからないと嘯く若林

 

タバコを吸って一息いれようとするが目の前に峰の箱があるのにそれを吸おうとせず、上着の内ポケットをまさぐる若林

 

古畑は目の前にある峰の箱を差し出す

 

これでまた一歩若林に対する不信感が強まっただろう

 

「アレ」に関しては古畑が「警察に取りにいった」とほのめかす

 

鴨田から「この間財布を拾った」と聞いていた若林はこれで「アレ」とは財布を拾った際に作成される「拾得物件預り書」のことだと把握する

 

その把握する様子の細かな無言の演技まで丁寧な風間杜夫

 

第1シリーズ2話の堺正章が口にした「役者の鏡」とはまさに風間杜夫の事だと言いたい

 

とにかくこれで「アレ」が何なのかわかった若林は預り書を探し始める

 

だが自分の住まいなのに引き戸の向こう側がタンスであることがわからなかったり、古畑にトイレはどこかと問われ(これもおそらく古畑の“探り”だろう)、違う扉を開けてしまったりとその部屋の住人じゃない感がどんどん露わになる若林

 

トイレと思って開いたドアが押し入れだった時はすかさず中にあったボーリング大会のトロフィーを取り出して自慢したり瞬間的な芸が細かい若林

 

古畑は室内の時計と自らの腕時計の時間を照合し何か思うところがある表情を見せる

 

サッパリ見つからない上に古畑が呑気に雑誌を読み始めたことに苛立ったように若林が「ごめんなさい、見つからないわ」ともう探す気がないポーズを示す

 

古畑は「奥さん戻られてからでも良いですよ」と告げる

 

若林が「いつになるかわからないんです」と返す

 

古畑は「奥さん“シゲル”さんとおっしゃるんですか?」と告げカレンダーを指さす

 

カレンダーには「シゲル」が18日~20日まで館山にいると記されている

 

若林はいよいよ不快そうな表情を示し「目ざといな」と皮肉る

 

古畑は「仕事の癖が抜けなくて」と返す

 

若林が「何やってるんですか?」と問う

 

古畑が「刑事です」とズバッと告げる若林の動揺を誘う

 

案の定若林は動揺した表情を見せる・・・

 

預り書が見つかるアテがない若林は「古畑さん明日じゃダメですか?」と遠回しに帰ってくれるよう求める

 

しかし財布にはカードもあり非常に不便な思いをしている古畑は「できたら今日中にお願いしたいんですけど」と返す

 

「ですよね」と諦めて若林はキッチンへ

 

疲れた表情で冷蔵庫にもたれかかるが後頭部に紙が当たる

 

その紙が探していた預り書だった

 

安堵のため息をつく若林

 

 

預り書を古畑に渡す若林

 

古畑は室内の写真立てにある写真を一通り眺める

 

しかしその写真は殺された鴨田ともう1人年齢不詳の男性が写っているだけ

 

写っていなきゃいけないはずの「若林」の写真がない事を指摘する古畑

 

「撮る一方なんです」と苦しい言い訳をする若林

 

古畑はたたみかけるように財布をどこで拾ったのか問う

 

若林は戸惑って目が泳ぎながら「あなたが落としたとこです」と答えになってない回答

 

しかしその回答の不自然さを指摘せずに流して会話を進めるのが古畑流(笑)

 

「あなたもいらっしゃったんですか?」と古畑

 

若林はどこかわからないながらも適当に会話を合わせるがその不自然さが逆に面白い

 

わからない話をされて「あぁ・・・あれね」と適当に返すようなシチュエーションだ

 

そこそこ引っ張って「いい映画館ですあそこは」と自ら“ネタバレ”をする古畑

 

若林が瞬間的に反応して「僕は映画館でアソコが一番好きなんです」と急に力説する

 

そしてこれ以上話を引っ張られるとしんどいから「古畑さん、そろそろ」と告げ、あからさまにさっさと帰るように促す若林

 

古畑は帰り支度をしながらも「どう思います?私は2の方が好きでしたね。3になるとついていけなかった」と更に話を続ける

 

若林はまたも目が泳ぎながら「同感ですね。でも一番好きなのは1ですけどね」とテキトーなことをほざく(笑)

 

古畑は「主人公がどんどんスーパーヒーローになっていくような気がして」と続ける

 

若林はモロに当惑した表情で「それはあるな」と知ったかぶる

 

さらに主役の男優が「妙に芝居っ気が出てきた」と指摘する古畑

 

若林がますます白々しく「まぁ、あるな」と焦点の定まらない目線で返答する

 

この場面の若林の白々しさが一番笑えた(笑)

 

この白々しい雰囲気を見事に醸し出した風間杜夫はまさに役者の鏡だ(笑)

 

ここまでその不自然さをスルーしてきた古畑は主役の男優が思い出せないフリをしていよいよ「落とし」にかかる

 

若林は黙ってりゃいいのに律儀に「ブルース・ウィリス・・・?」と探るように答える

 

おそらく頭ん中は当時国内上映されていた「ダイ・ハード3」を想定していたんだろう

 

しかし古畑が見ていた映画はこれも当時上映されていた「ミラクルワールド ブッシュマン3」であり主役の男優はニカウだと指摘して若林が全く的外れの事を言っている状況が露わになる

 

若林はめっちゃばつが悪い表情で「それじゃ・・・」と遠回しに「さっさと出てけ」を要求する

 

するとそこで電話に着信が入る

 

古畑は若林に出るように促すが若林は「最近いたずら電話が多いから」と出ようとせずついに古畑を手で押して部屋から追い出そうとする(笑)

 

鴨田の声で応答メッセージが流れる

 

するとそこに「シゲル」と名乗る男性の声でメッセージが入る

 

「合宿1日伸びて帰るの明日になります。だから保険証はごめんなさい。明日になっちゃいます。カギはいつもの(植木鉢の)所にお願いします。それじゃあね、バイバイ」とのこと

 

妻(女性)だと思われていた「シゲル」は男だったわけだ

 

名前的にも男性女性どちらでもありうる名前だから余計話をややこしくしていた

 

「シゲル」は写真にずっと一緒に写っていた人物と考えるのが妥当だろう

 

年齢不詳なあの人物だ

 

若林は古畑に対して男と一緒に住みその男のことを「カミサン」と呼んでいたことになる・・・

 

若林は開き直ったように「古畑さん・・・君の言いたいことはわかります。愛にはいろんな形があってかまわないはずだ。そんなにおかしいことだろうか?」とついにゲイを演じ始めた(笑)

 

古畑は若林がゲイかどうかよりも殺された鴨田による留守番電話の応答メッセージを聞いて、若林の声でもシゲルの声でもないことの不自然さを指摘する

 

若林は「あれは友人に頼んで吹き込んでもらってる」とまたも苦しい言い訳

 

古畑は左頬に右の手の甲を当てるようなポーズで「(ゲイの)お仲間ですか?」と問う

 

あぁこれも今じゃ放送NGな描写だね

 

サザエさんに続いてこれもあるからますますコンテンツとして放送は難しいだろうね

 

若林もちょっとオネエっぽい演技で「そう」と答え、さらに「いい声なんだから」と言いながら古畑のコートの襟を治そうとする

 

ガチでノンケな上に超フェミニスト(女性好き?)な古畑は気持ち悪いのかそれを避けるように自ら襟を正して部屋を出ようとする

 

すると今度はインタホンが鳴り訪問者だ

 

どこまでもツキがない若林(笑)

 

やってきたのはクリーニングの宅配員

 

不自然にドアスコープから相手を確認する若林

 

少し声色を使って「はい」と答える若林

 

「いつもお世話になっております。西田クリーニングですけど」と宅配員

 

若林は御用聞きか何かと判断したのか「今日は結構です」と返す

 

「お預かりしていたタキシードを届けに参りました。7時(19時)までに届けるようにと言われたんですけど」と宅配員

 

古畑はまたここで自らの腕時計を確認し玄関にある時計と照合する

 

若林はさすがに開けないわけにはいかずドアを開ける

 

この宅配員は普段鴨田と接していて顔を知っていると思ったようで、若林は顔を伏せるようにしてタキシードを受け取り、サインを求められると背中を向けてサインをして顔を後ろ向きにしたまま渡す

 

そんなことしても普通はすぐ気づくだろうが、実はこの宅配員は新人で今日が初めてだったようで、鴨田とは面識がなかったから若林が別人だとバレることはなかった

 

「8時(20時)にバリトンホテルでしたよね?」と確認する宅配員

 

古畑は彼が新人でここに来るのが初めてか確認すると、「ちょっと失礼」と言い再び部屋に戻り勝手にテレビをつける

 

テレビのチャンネルは都合良くフジテレビで、当時火曜日の19時に放送されていたサザエさん(お隣が伊佐坂先生じゃなく浜さん)のOP主題歌(歌:堀江美都子)が流れている

 

「これだけは欠かしたことがないんです。テーマソングだけ」と言う古畑

 

そしてテーマソングが終わると何かを確信したような目をして「はい、満足しました」とテレビを消して立ち上がる古畑

 

これに対しこれまでの古畑の対応にずっと耐え続けてきた若林が苛立ちMAX絶頂状態に突入し「古畑さん、あなたは一人っ子ですかぁ!?ちょっと自分本位すぎる!」とついに激昂する

 

古畑は謝罪しつつも20時にバリトンホテルに行くなら一緒に外に出ようと誘ってくる

 

若林はうんざりした表情で古畑の後に続く

 

だがここに来た時の靴ではタキシードを着るのに合わない

 

シューズケースを開けてタキシードに合う靴を引っ張り出しそれを履く若林

 

そしてここに来た時の靴を置いていくわけにいかないからそれをタキシードの内側に隠すように抱えて外に出る

 

そしてカギを置いて行かずにホルダーに固定して出て行こうとする若林にシゲルが電話で言っていたようにカギを植木鉢の下に置いておかなくてはと古畑が指摘すると、ホルダーに固定していたカギを外して植木鉢の下に置く

 

歩き出す若林だが靴のサイズが大きくてカパカパしているのを古畑は見逃さなかった

 

 

 

外に出た古畑はバリトンホテルで何があるのか問う

 

若林は「パーティーがあるんですよ」と適当に返す

 

そして奪ってきた鴨田の車に目を止める若林

 

古畑はそれを察知し車内に峰の箱があることに気づきこの車に目を付ける

 

しばらく歩くと若林は「それじゃタクシー捕まえていきますんで」と別れることに

 

古畑はここはすんなり応じて別れるが・・・

 

都合良くタクシーをすぐに見つけた古畑は若林の後を追って、このあたりなかなかタクシーが捕まらないから一緒に乗って行こうと促す

 

若林は振り払おうとするが古畑のしつこさに根負けしてタクシーに乗り込む

 

古畑はパーティーは何時に終わるのか聞いてきて、終わるまで待っているから終わったあと一杯奢らせてほしいと求めてくる

 

若林は何とか振り払おうとするが古畑はヘビのようにまとわりついてくる

 

そこから唐突に古畑は胸をおさえて苦しみ始めた

 

タクシー運転手(野仲功)が「カミさんの父親が倒れた時はそんな感じだった」とすぐに病院に連れて行くべきだと指摘する

 

この作品は「カミさん」という表現を多用するがこれはやはり「刑事コロンボ」のオマージュか?

 

若林は「頼めるかな?」とタクシー運転手に古畑のことを任せようとする

 

運転手に「トモダチを見捨てるのかよ?」と叱責される若林

 

「別に友達じゃないよ」と吐き捨てるように答える若林

 

古畑は近くに部下がいて薬を持っているからそこに連れて行ってくれと言い出す

 

 

その時今泉は向島巡査(小林隆)とボーリングを楽しんでいた

 

今泉はプロ級のボーリング技術があるようであと3回ストライクを続けたらパーフェクトという段階まできていた

 

そこに古畑と若林がやってきて、古畑は今泉から錠剤を受け取り飲んだフリをする

 

若林は「それじゃ、私はこの辺で」と帰ろうとする

 

だが古畑が若林のコートを掴んで帰らそうとしない

 

若林は「な、なんなんだよ!」とうんざりしながら答える

 

「一緒に出ますよ」と古畑

 

イラついてもう完全に敬語を使わなくなった若林は「あんたゆっくりしてったほうがいいよ」と告げる

 

若林は「8時(20時)にバリトンホテルなんだよ」と念を押す

 

古畑は「なんならパトカーで遅らせます」と脅すような口調で伝える

 

若林は動揺して「し・・・しかし・・・」と口ごもる

 

「奢るって約束もしちゃったし」と古畑

 

若林は「別に奢ってくれって頼んだわけじゃないよ」とうんざりしたように返答して「トイレ行ってくる」と告げる

 

古畑は「ホントですか?」と露骨に聞いてくる

 

若林は「ホントだよ。はなせよ!」と言い荒々しく古畑の手をコートから引き離してトイレへ向かう

 

古畑は向島君に張り付くように指示する

 

先ほどの薬は何の薬か今泉に問うと今泉は「精神安定剤」だから害はないと告げる

 

だが古畑は口から出して捨ててしまう

 

そもそも向精神薬なんて害がないものなんてない

 

極度の肥満を招いたり心臓病や糖尿病を引き起こしたりするし体内にずっと蓄積されるから心療内科で処方される薬なんてほとんどは極力飲むべきじゃない

 

古畑は心臓病のフリをしてここまで来たが本当に心臓病になりかねない

 

それはともかく若林がトイレから戻ると古畑はすっかり回復してボーリングを楽しんでいた

 

妙な投げ方からものすごいフックでストライクを取る古畑

 

続いてはパーフェクトがかかっている今泉の番に

 

今泉に姿勢をあれこれやたら細かく指示する古畑

 

今泉はめちゃくちゃな体勢から投げさせられることに

 

当たり前のようにガーターになりパーフェクトが夢と消えた今泉

 

何かの書籍で「古畑が今泉にした酷い事ランキング」なんてものがあった

 

そのランキングにこのボーリングの事が入ってなかったがこれも地味に酷い

 

パーフェクトなんてプロでも達成困難なものだ

 

素人がパーフェクトに手が届きかけるなんて一生に一度あるかどうかかもしれない

 

その機会をめちゃくちゃな指導でブチ壊したんだから

 

笑いという意味ではこの今泉の投げ方はめちゃくちゃウケたからそれはそれで番組的にはOKだったんだろうけど(笑)

 

ちなみに上述したランキングの1位は第2シリーズ7話の「動機の鑑定」で今泉が120万円という意図しない高額で購入することになった仏像を落として破損したことだった

 

 

それはともかくここで古畑は部屋で若林がボーリングの腕自慢をしていたことを持ち出して、腕前を見せてくれと要求する

 

若林はそんなもん断り切ればいいのになぜか古畑の圧に屈して投げるハメに

 

なんとかストライクを取りガッツポーズを取ってしまう若林だがすぐに冷静になり、「当然だ」というポーズを取る

 

満足そうに何かを確信した古畑

 

そしていよいよバリトンホテルに向かう

 

到着していよいよタキシードに着替えようとする若林

 

なんとかごまかしてパーティーに紛れ込むつもりなんだろうが・・・

 

しかし衣装カバーから出てきたのはホテルマンの制服だった

 

クリーニングの宅配人が「タキシード」なんて表現をしたからパーティーに出席するものだと若林は勘違いしてしまったわけだ

 

しかもこの日のバリトンホテルはパーティーの予定は一件も入ってなく、「托鉢の会」という修行僧の集まりがあるだけだったそうで

 

古畑に衣装の事を突っ込まれると「パーティーに出るとは誰も言っていない」とまたも苦しい弁明ですぐにドアマンの仕事の真似事を始める若林

 

他のホテルマンの帽子を奪ってまで強引にドアマンに徹する若林を見て、他のドアマンたちは「おい、アイツ誰?」と口々に噂する

 

古畑はそんな光景を見ながら今泉から報告で本物の鴨田の顔写真を確認する

 

部屋の写真に写っていた人物と確認できた

 

さらに向島君から鑑識と連絡を取ってきた・・・

 

 

鴨田のマンション前に戻り鴨田の車のバンパーを鑑識に開けさせる古畑

 

やはりこの車に気づいたきっかけは峰の箱だった

 

トランクを開けると中には当然の如く鴨田の遺体が・・・

 

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以降はネタバレを含むからまだ視聴前なら読まずに移動することをおすすめする

 

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 若林は偽ホテルマンとしてなんとか勤めきったようで・・・

 

よく支配人やマネージャーに何も言われなかったもんだ

 

そして向島君が張り付いている表玄関を避け従業員用出入り口からホテルを「脱出」

 

そしてようやく自宅へ戻る

 

しかしドアのかぎが合わない

 

鴨田の部屋を出る時に自分の部屋の鍵を植木鉢の下に置いてきたと判断した若林

 

再び鴨田のマンションに戻りカギを取ってくる

 

しかしマンションから出るとパトカーの山で強烈なハイビームを浴びせられる

 

その中から古畑が現れ「こちらへ」とタクシーへ乗るよう促す

 

若林は「ちょっと待って。確かに僕は鴨田じゃない。それは認める。だからってこの扱いはなんだ!?これじゃまるで大犯罪者じゃないか!」と古畑に文句を言う

 

古畑は停めてあった鴨田の車のトランクを開けたことを若林に告げる

 

若林は観念した表情で「もういい」と吐き捨てて古畑に従う

 

 

「どうしてわかった?」と若林は問う

 

どうしてもこうしても何もかも怪しさ全開だったと思うが・・・

 

古畑はまず引っかかったのは時計だと指摘する

 

殺された鴨田は時間に几帳面だったようで部屋の時計は全て10分も進めていた

 

それなのに若林はそのことを知らず18時ちょうどに来た古畑を「遅い」と指摘した

 

「あんたの時計が遅れてただけかもしれないだろ」と若林は無理に食い下がる

 

刑事たるもの10分も時計が遅れているのを放置しておくわけがないだろうに

 

古畑はその可能性も考え自分の時計が遅れていないことを確認する為に火曜サザエさんを見たと告げる

 

サザエさんは19時ちょうどに放送開始するからそこで自分の時計が遅れていない事を確認できたということだ

 

若林はさらに「友達が来ていたのかもしれない。めんどくさくて本人のフリをしていたのかも」とますます無理なシチュエーションを想定して粘ろうとする

 

しかしそれも古畑は完全否定する

 

理由は「シゲル」だ

 

若林は鴨田とシゲルが同性愛の関係だと勘違いしていた

 

だがシゲルは鴨田の弟だったのである

 

古畑は保険証を共有していることですぐに弟だと判断していた

 

館山にいるシゲルとも先ほど確認が取れたとのことだ

 

大学の合宿で館山に行っているとのことだが大学生の弟というのは随分歳が離れてる

 

鴨田とじゃ親子くらい離れているようにしか見えない

 

ただシゲルは写真でもなんだか老けても見えるしもしかしたら教員の側かもしれない

 

ただそれでもせいぜい30代ってとこだろう

 

鴨田はどう見ても50代以上

 

どっちみち歳の離れた兄弟ってことに変わりはないだろう

 

なんで大学生なんてややこしい設定にしたのかわからないが・・・

 

とにかく友達だったら家族構成を知らないはずがないと指摘する古畑

 

 

タクシーに乗り込むと古畑は「ボーリングはお見事でしたね」と称える

 

若林は「あれは狙いだろ?ボロを出させようとしたんだろう?意外に上手くて驚いたはずだぞ?若い頃少しヤッてたんだ」と得意げに答える

 

だが古畑は狙いは他にあったと指摘して、靴のサイズを知りたかっただけだと告げる

 

ボーリングのレンタルシューズで靴の正確なサイズがわかる

 

若林は25.5㎝の靴をレンタルしたが、履いていた鴨田の靴は27㎝だった

 

これで真っ赤な偽物だと確信したと古畑は話す

 

それ以前にもうあからさまにニセモノなのは確定的だったと思うがそこまでしなきゃいけなかったのか疑問ではある

 

若林は「ここに来ることはどうしてわかった?」とさらに食いついてくる

 

古畑は若林がドアマンの真似事をしている間にカギをコッソリ自分の家の鍵と取り換えたと告げる

 

そうしておけば自宅に戻ってカギが違うと気づけば必ず植木鉢の所に戻ってくると思っていたとのこと

 

だがこれはちょっといろいろ穴だらけじゃないかと思う

 

まず自宅に「カミさん」がいればカギが開いているかもしれない

 

まぁ不用心だから施錠してるかもしれないけど

 

さらに10年も前の時代なら夜以外は玄関の鍵など開けっ放しにしているのが普通だった

 

訪問セールスが「ごめんください」と勝手に玄関を開けて入ってくる

 

そんな時代が昭和までは普通の光景だった

 

それこそ「サザエさん」の世界ではまだそうだろう

 

磯野家の玄関を「勝手に開けて」様々な客が入ってくる

 

オレだってガキん頃は友達を遊びに誘う時相手の家の玄関を勝手に開けて入った

 

そして「〇〇くん、あそぼ」って声をかけると中から〇〇くんが出てくる

 

そんな流れが当たり前だったんだ

 

そんなこんなで必ずしも自宅に戻ってカギを使用したかわからない

 

それと鴨田家の鍵もそうだし古畑の自宅の鍵もそうだし同じような形状ばかりだ

 

これも不自然だ

 

この頃はカギなんてどれも見た目は同じような形状のものしかなかったのか?

 

いやもうこの頃だって既にマンションではカードキーだって普及していた

 

カギだって様々な状態のものがあるはず

 

だからカギを古畑の自宅のものとすりかえてもすぐに気づくはず

 

さらに言えば鴨田家の鍵と若林家の鍵の違いだって見た目ですぐに気づくはず

 

なのにこのストーリーで登場するカギはどれも皆同じような形状の鍵

 

まるで同じマンション内で使われてる共通のもので対応する部屋だけ違うカギみたいな

 

このあたりは設定がかなり雑だと思った

 

さらに言えばタクシーを拾う場面も一度古畑は若林を逃がしてしまっている

 

もしすぐにタクシーが見つからなかったらどうするつもりだったのか

 

このあたりは結構ボロボロ粗が見えてきてしまう

 

 

 

若林は完全に観念したように「古畑さん、悔しいよ。もっとちゃんとした犯罪であなたと戦いたかった」と告げる

 

古畑は「他に何か?」と問う

 

若林は吐き捨てるように「ない」と返答

 

すると古畑は「じゃ1つ私の方から」と切り出し「あなた一体誰なんです?」と問う

 

まるで第1シリーズ8話「殺人特急」でラストに中川淳一(鹿賀丈史)に対して言い放った「次の駅まで持ちませんでしたね」に匹敵するほど痛烈な皮肉である

 

皮肉たっぷりの古畑に対し疲れ切った表情の若林は「ま、ゆっくり話そう」と返す

 

パトカーが発信すると絶望の眼差しで外を見る若林

 

この人生の破滅と諦観が入り混じった表情は実に印象的である

 

こういう表情を作れることが一流の演者というものだろう

 

とにかくこのストーリーは風間杜夫の素晴らしい演技力(表現力)が際立っていた

 

ストーリーはここで終わり

 

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古畑任三郎シリーズは第1シリーズも第2も第3も1つだけ振り回される犯人の回がある

 

第2シリーズは今回のストーリ

 

第1シリーズなら10話「矛盾だらけの死体」の佐古水茂雄(小堺一機

 

第3シリーズなら9話追い詰められて(雲の中の死)」の臺修三(玉置浩二

 

言ってしまえば「可哀想な犯人」回とも言えるし「お笑い回」とも言える

 

三谷幸喜という脚本家は笑いが大好きだからこの手の回は楽しくて仕方なかっただろう

 

その3作品の中でもこの回のストーリーが一番笑えるし秀逸だろう

 

まるでアンジャッシュのコントを見ているような展開でもある

 

アンジャッシュのあの芸風は古畑のこの回をヒントにしたんだろうか(笑)

 

アンジャッシュはこの1996年からボキャブラ天国に出演し始め露出が増えてきていた

 

確かこの頃はまだ後に定着する勘違い(すれ違い)コントはやってなかったはず

 

あまり見てなかったから詳しくないが渡部の髪型がもっと短かったりパーマを当てていたりで今と大分印象が違う

 

逆に児島は23年たってもほとんど外見変わってないと思う

 

それはともかく仮に古畑のこの回からヒントを得たとしてもあれだけの本数(優に100本以上)も勘違い(すれ違い)ネタを考案して具現化しただけでも相当凄いことだ

 

もう1人作家がついているから実質3人体制だと本人たちも認めているが、それでもめちゃくちゃ頭使わなきゃあんなネタできるわけがない

 

一度でいいから風間杜夫に児島の代わりをやらせて渡部とコントしてみてほしい

 

風間杜夫の演技力と対応力なら多分めっちゃ面白いんじゃないかと思う

 

風間も児島も麻雀の腕はプロ級であり「THEわれめDEポン」で面識はあるはずだろうし案外気が合うんじゃないだろうか(笑)

 

 

そんなたのしい妄想はともかく、逆に今回は古畑のいやらしさ(性格の悪さ?)が良く出てるストーリーだ

 

はっきり言ってもうあからさまに「不審者」だった若林なんだからあんなに引っ張って泳がせて、ゲイやホテルマンの真似事までさせなくてもさっさと本人確認しちまえば終わりだった話だ

 

それなのに古畑はかなり早い段階から若林が鴨田ではないことは感づいていたのに、散々翻弄して引っ張りまくってまるで若林の狼狽ぶりを楽しんでいるかのようにさえ見えた

 

「矛盾だらけの死体」の回でも散々振り回された佐古水(小堺一機)が最後は憤慨しきった表情で「古畑さん、あなた友達少ないでしょう?」と皮肉られて、古畑はそれを否定できないから「あなたもじゃないですか?」と「お前だって論法」で返して暗に友達が少ない事を認めるが、今回のストーリーなどはまさにそれを納得させられる

 

このオンエア日当夜に放送された「巡査 今泉慎太郎」でも今回の古畑はあまりに酷かったからなのか今泉が古畑のやり方を批判しまくっている

 

今泉が「あんなの犯罪だぜ!罪のない人いたぶってさ」と言うと

 

「罪はあったんでしょ。人殺してたんだから」と突っ込む桑原(伊藤俊人

 

そしてその桑原も「まぁ今までで一番可哀想な犯人だったのは確かですよね」と語る

 

義憤に駆られて収まりがつかない今泉は古畑を「こらしめる」と箱に隠れて古畑を脅すことを思いつくわけだが・・・

 

その結末はともかく作中の人物でさえ今回の古畑は酷いと思えたようだ

 

まぁメタ的な事を言ってしまえば「笑いの為」に引っ張るのは当然ではある

 

さらに言えば早い段階で本人確認しちまえば話はそこで終わってしまい番組にならない

 

だからここで古畑の性格どうこうを指摘するのも意味がない事なのはわかるが・・・

 

ただ古畑が実在するとして、彼に友達が少ないのは性格のいやらしさもそうだけどあまりに鋭すぎて考えてる事が何でも見抜かれてしまう不気味さもあるんじゃないかと思う

 

仮に人の心を透視する超能力を持つ人間が現れたとしたら最初はすごいと世界中から喝采を浴びるかもしれないが、やがて「考えている事が見抜かれてしまうのが怖い」と誰からも距離を置かれて孤立してしまうだろう

 

古畑も言わばそれに近いレベルの半ば超人みたいなもんだ

 

同じく欠番状態の第2シリーズ4話「赤か、青か」で林くん(キムタク)が最後嘘をついて青の同線を切れと答えた時にそれを嘘だと見抜いて赤を切らせたことが象徴的だが、古畑は人間心理を透視レベルとは言わないまでもかなりの次元まで見抜ける超人的洞察力と判断力が確かにある

 

古畑友達問題はそれ以外にも偏屈な部分があったり正義感が強すぎて融通が利かなかったり(特に間違った事は指摘してそれを改善させないと気が済まない性格)といろいろあるだろう

 

間違ってる事を指摘するだけでも嫌われることが多いのに、さらにそれを強引に改善させようとする古畑の性格は、少年時代に新聞の間違いを見つけて投書するのが趣味だったというバックボーンからも現れている

 

さらにスペシャル版1の「笑うカンガルー」の回でもひかる(水野真紀)から「私あの人あまり好きじゃないわ。人をバカにしたような目で見るんですもん」と口にしている

そういう部分もあるのかもしれない

 

人間誰だっていろいろ欠点はあるだろうが、古畑は超優秀な刑事であるが人間的には明らかに万人受けするタイプではないんだろう

 

かなりのフェミニストでありながら結婚もしてなければ恋人がいる(いた)気配もない・・・頭脳明晰すぎるがゆえに孤独な人生を歩んでしまっている・・・そんな古畑任三郎の悲哀も感じさせられもする

 

一方、今回の犯人である若林仁という人物

 

冒頭で見せたカギのトリックなど基本的には頭がキレる人物なんだろう

 

だが実は古畑と出会う前からボロは出ていた

 

まず自分の車を遺体がある山荘付近に乗り捨てたままにしたのはどうなのか?

 

すぐに遺体が発見されないだろうから翌日にでもタイヤを持って行くつもりだったのか

 

そもそも4WDに乗っていてスペアタイヤも積んでないのもあまりないケースだが

 

JAFなんて呼べば足がついてしまうから自分でタイヤを持参して交換して帰ってくるしかないだろうが、タイヤと共にどうやって山荘まで移動するかが問題だろう

 

そして古畑と出会ってからはもうボロが出まくり

 

古畑を必死で帰らせようとしていたが、刑事である古畑に完全に顔を見られしかも鴨田の部屋にいてしかも住人のフリまでしていたという時点で、古畑が素直に帰っていたところでいずれ本物の鴨田の失踪→捜索願が提出されれば真っ先に若林が疑われる

 

そう考えると古畑を部屋から追い返せたところで若林にとっては何の解決にもならない

 

すぐに海外にでも逃亡する予定があるなら別だが

 

古畑は若林がどういう人物かも全く知らなかったが、あれだけ顔をはっきりしられてしまった上に、月刊誌の編集長という社会的立場のある人物ということであればそのうち身元などすぐに突き止められるだろう

 

つまり、若林は古畑も殺すしかなかったのだ

 

元々若林は鴨田家に侵入した時に「ごんばんわ」と口にして室内に誰かいるかを確認していた

 

「妻」だと思っていた「シゲル」やもしかしたら子供がいるかもしれない

 

いたらおそらく殺すつもりだったんだろう

 

既に2人も殺していた若林

 

もうその時点で逮捕されれば死刑が濃厚である

 

だったらもう何人殺しても一緒だということか

 

一度殺人を犯したことで「タガ」が外れてしまった状態だろう

 

さらに言えば自分の人生を守る為には何人でも殺すしかない状況でもあった

 

そのような心理状態の若林が古畑を殺さずに帰らせようと必死になっているのもおかしな話でもある

 

風貌からどう見ても強そうには見えない古畑だがそれでも「刑事」だ

 

最低限柔道か剣道、そして逮捕術などの訓練は受けている

 

若林がプロの格闘術を持つ猛者ならともかく「一般人」レベルであれば殺すのも不意打ちをするくらいのことをしないと簡単じゃないだろう

 

現実的なのは台所にある包丁を利用するくらいか

 

どちらにしても若林は古畑を殺さない限り遅かれ早かれ破滅だった

 

それなのにその場をなんとかやり過ごして古畑を帰らせることしか考えていない

 

ここがかなり見ていて違和感があった

 

さらに言ってしまえばこのマンションに防犯カメラがあったとすれば・・・?

 

若林は素顔のままで侵入しているからもうその時点で「アウト」だ

 

古畑以前の問題である

 

そもそも鴨田が子供持ちでその子供が高校生以上の柔道部やレスリング部在籍の体格の良い男子であり、そんなのが室内にいたらどうするつもりだったのか等・・・

 

これらのことを考えると若林の行動・心理もかなり軽率かつ稚拙だった

 

これについてもメタ的な視点で言えば、今回は「お笑い回」であり若林の狼狽ぶりが面白いわけだから若林に完璧な行動をされたら話が面白くなくなってしまうということもあるだろうが

 

ついでにメタ発言をすれば古畑任三郎という刑事は普通の刑事ドラマと違って犯人と組み合ったり格闘をしたりが一切ないし、おそらく三谷幸喜もそうしたシーンを描く気はなかったと思われるから、「若林が古畑の背後から包丁で突き刺そうとする」ような場面は想定にも入っていなかったんだろう

 

上述したように設定や脚本自体は杜撰な部分が目立つ作品だ

 

テルマンに扮したシーンもすぐに支配人やマネージャーに告げられそこから警察に通報されてしまう可能性だって十分あったのになぜかバリトンホテルは身元不明な不審者に「ホテルの顔」でもあり重要なポジションでもあるドアマンのマネをさせ続けていたようだし(現実じゃこんなことは絶対にありえない)

 

古畑は古畑で上述したカギの問題やタクシーが掴まるかどうかアテもないのにあっさり若林を一度逃がしたこと、本物の鴨田とは一度電話で話してるのになぜ声や雰囲気が違うと気づかなかったのか・・・そもそも露骨に怪しい若林をなぜさっさと本人(身元)確認しないのか等いろいろおかしな行動も多かった

 

どちらも「話の都合上」ということであり、さらに言えば「笑いのため」ということか

 

細部をあれこれ突っ込んでるとこれだけいろいろツッコミポイントがあるストーリーだ

 

しかしそれらのことを考えずに純粋に楽しめば実に楽しい回でもある

 

とにかく風間杜夫の演技が素晴らしかったことに尽きる

 

セリフがない時の無言の演技(表情)も非常に表現力豊かだ

 

特に上述した最後のタクシーの車内から外を眺める時の表情である

 

2人を殺したことで小清水弁護士(明石家さんま)が弁護につくでもない限り死刑は濃厚であり、もう人生の破滅を噛みしめている時の表情である

 

いろんな意味で「人生終わった・・・」という表情だろう

 

逮捕される事でそれまでの社会的地位や仕事も失うだけでなく、2人を殺したことで死刑濃厚ということで文字通りの意味で「(死刑執行されて)人生が終わる」という意味もある

 

ましてや人生の破滅がこんなマヌケな犯罪で終わり「あなた一体誰なんですか?」なんて皮肉を言われて終わるんだから言葉にできないやるせなさもあったんだろう

 

タイヤさえパンクしなけりゃ完全犯罪だったかもしれないいだけに無念さもハンパないだろうし

 

そういうあらゆる感情を込めた表情を作れることが素晴らしいわけで

 

決して「これ以上古畑に振り回されずに済む」という「安堵感」は見えない

 

とにかく悲壮感と諦観が漂うなんとも言えない表情である

 

他の犯人は開き直って空元気を示すようなタイプも多かったがそれもとも違う

 

古畑任三郎シリーズの犯人はほとんど社会的地位の高い人物であり、「守るもの」が大きい立場の犯人ばかりだからこそ、なんとかして罪を逃れようと必死になり、それでも最後は古畑に敗れて皆絶望するか開き直るわけだが、この若林ほどに絶望感と諦観が入り混じった表情を作れた犯人って他にパッと浮かばない

 

他にも古畑にいろいろ突っ込まれ目が泳ぎながら適当な事を返したりオロオロと狼狽したりする様は笑いを誘えたし、風間杜夫という超一流の演者は表現力が実に豊かである

 

若林仁は裁判で死刑判決を受けるだろうか?

 

古畑任三郎シリーズの歴代犯人で最多の殺害人数は2人であり、若林の他に2人殺した犯人達も全て第2シリーズ以降の犯人であり、第2シリーズから犯行が凶悪化してきたフシがある

 

若林の他に2人を殺害した犯人

 

第2シリーズ 3話 「ゲームの達人」 乾研一郎(草刈正雄

 

第2シリーズ 7話 「動機の鑑定」 春峯堂のご主人(澤村藤十郎

 

スペシャル版4 「黒岩博士の恐怖 」 黒岩健吾(緒方拳

 

上記の3人がそうだ

 

他に第1シリーズ 2話 「動く死体」中村右近堺正章)も2人、さらにファイナル1 「今、甦る死 」の天馬恭介(石坂浩二)ばなどは実質3人殺したも同然ではある

 

だが中村右近は、1人は完全に不注意で飛び出したおばあさんをはねてしまった交通事故によるもので、もう1人の野崎(きたろう)も故意ではないから2件とも「殺人罪」としては罪に問えないかもしれない

 

天馬の方に関しては罪に問えそうなのが15年前の事件だけであり、下手すりゃこっちも小清水(明石家さんま)クラスの弁護士なら無罪になりかねない

 

よって右近と天馬は除外する

 

若林・乾・春峯堂・黒岩の中でもっとも罪が重いのは誰だろうか?

 

そもそも2人殺しても必ずしも死刑になるとも限らない(とはいえほとんどは死刑だろうが)

 

この4人の中で情状酌量の余地がありそうなのが今回の若林のみである

 

1人目の春風亭昇太もどきのメガネ君をブッ殺した動機は妻を寝取られたことだ

 

このことを考慮されればもしかしたらギリギリ死刑は回避できるかもしれない

 

それでも犯行はカギのトリック等事前に相当な“シュミレーション”がされかなり計画的だからどっちみち難しいだろう

 

他の乾・春峯堂・黒岩の3人は身勝手極まりない殺人であり情状酌量の余地なしだ

 

さらに乾は銃刀法違反、春峯堂は窃盗罪、黒岩博士は収賄罪とそれぞれ皆余罪まで抱えている(若林も銃刀法違反だろうが)

 

もうこの3人の死刑は小清水でも回避は絶望的じゃあないだろうか

 

黒岩博士は連行直前に大好きなあたりめの最後の一口を「食い納めだ」と言っていることから二度とシャバに戻れない事を示唆している(仮に死刑を回避しても年齢的に生きている間にシャバに戻れそうになさそうなのもあるが)

 

乾の時は古畑はすぐに連行せずなぜかビリヤードを始めるが、これも「人生最後のゲーム」を楽しませる古畑なりの配慮なんだろうか?(メタ的に言えば「演出」なんだろうけど)

 

上記3人に比べれば若林はわずかながら死刑回避の可能性はありそうではある

 

でもやっぱり銃刀法違反も加わるだろうし難しいだろう

 

あの猟銃は若林が所持許可証を得たものであれば銃刀法違反ではない

 

だが遺体の元に残したら若林の関与が疑われてしまう

 

あれだけ周到なトリックを準備していた若林だからそこに気づかないわけがなく、やはりあの猟銃は銃刀法違反で仕入れたもんだろう

 

どっちみち若林のいろんな意味で「破滅」は免れないだろう

 

お笑い回でありコミカルなストーリーではあるが若林の罪に関してはシリーズ屈指の重さということになる

 

 最後に・・・

 

そんなこんなであれこれ考察したり突っ込んできたら非常に面白い回でもあった

 

これだけの良作がもう配信することが難しくなってしまったのは残念な話だ

 

おそらくは「サザエさん問題」なんだろうが

 

権利というものを守るのももちろん大事だ

 

だがあまりに厳格過ぎても考えものである

 

長谷川町子美術館サザエさん関連商品すら出さないほど徹底しているわけだから

 

オレが高校くらいの時に「磯野家の謎」という本が出てかなり売れていた

 

サザエさんに関する様々な謎に切り込む内容の本だ

 

今にして思えばあれだってあからさまに他人のフンドシで商売してるようなもんなのによくクレームも入らず出版できたもんだ

 

あれから「謎本」というジャンルが90年代には流行っていろんな作品の「〇〇の謎」という「他人のフンドシで飯食ってます」系の書籍が出たもんだ

 

その流れを受けてこの古畑任三郎も「古畑任三郎友の会」とか名乗ってるけど明らかに個人による著作の書籍が出てたっけ

 

呼んでたけどあまりに低俗だし個人の主観の押し付けばかりだったし酷い内容だった

 

とにかく「磯野家の謎」は確かに著作権上は問題ない範疇だったとはいえよくクレームも入らずに出版できたもんだ

 

これもたしか昨年に「磯野家の危機」とかいう本を二匹目のドジョウを狙って販売してたけどこっちはもう大して売れなかったみたいね

 

 

 

サザエさんのDVD/Blu-rayソフト化に関しては一度もされていない

 

昨年末にようやくAmazonプライムとFOD(フジテレビオンデマンド)で初期作品50本がデジタル化されたくらいだがあれもおそらく期間限定だと思われ、無期限に垂れ流しで配信され続けるとはとても思えない

 

そしてゲーム化もフィギュア化も一度もない

 

サザエさんファミコンソフトとか仮に出ていたら人気が出たのかどうかも疑わしいが

 

ゲームになるほどのワクワクやハラハラなど無縁の「平和しかない」アニメだけに

 

アクションもRPGも無理があるし棚に入れていたぼた餅を食べたのは誰かをサザエさんが「探偵」になって探すアドベンチャーゲームにでもするしかないか?(結局タマが犯人とかそんなオチで終わりそうだが・・・)

 

あとは文房具関係とか食品関係とかオモチャ製品(フィギュア等)なら売れるんじゃないかなぁ

 

サザエさん主題歌・BGM集」みたいなCDも出せばかなり売れるんじゃないかと思う

 

フィギュアだって今出せばかなり売れるんじゃないだろうか?

 

波平とかノリスケとか意外と人気出そう(笑)

 

他にも「リカちゃんのリカちゃん人形」みたいなややこしい商品名とか

 

食品類だって「サザエさんカレー」でも「サザエさんふりかけ」でも出せばいいんだ

 

「ワカメちゃんのワカメごはんの素」とか

 

文房具なら「浜さんのおえかきブック」とか

 

他にもビックリマンみたいにサザエさんの登場人物をシールにしたチョコ製品だっていけるだろうし、サザエさんチップスでもサザエさんキャンディでも売れるだろうに

 

話は逸れるが、もしも「キャンディキャンディ」のキャンディが発売されたとしたら?

 

「キャンディキャンディキャンディ」というややこしい商品名になったんだろうか?

 

火曜サザエさんもキャンディキャンディも主題歌を歌うのは堀江美都子かぁ

 

「版権なんて気にしないわ」ってわけにもいかないのかな?